米政権、メキシコ・カナダ関税を発動 北米経済を減退させる恐れも
(CNN) トランプ米大統領によるメキシコ・カナダへの一律関税が4日、発効した。これは米国の主要な貿易相手国を従わせることを狙った異例の措置だ。一方で、多大なストレスにさらされている時期に発動されたこの措置は、米国を含む北米経済を減退させる恐れがある。
トランプ氏は、中国からの全輸入品に対する追加関税も10%から20%に倍増させた。この関税は数千億ドルの中国製品に対して課されている既存の関税に上乗せされる。
関税の発効直前にホワイトハウスが発表した声明は、「トランプ大統領はカナダとメキシコの両国に麻薬カルテルの危険な活動と米国に流入する致死的薬物の流入を阻止する十分な機会を与えたが、両国はこの状況に適切に対処しなかった」と述べている。
関税は、インフレの問題が依然としてくすぶり続ける時期に発効した。最近のデータからも明らかなように、米国民と米国経済全体は不安定な状況にある。
関税により、これら3カ国から輸入する幅広い品目の価格が上昇する恐れがある。商務省のデータによると、3カ国からの昨年の輸入総額は1兆4000億ドル(約209兆円)相当に上る。これは、米国が昨年輸入した全品目の40%超に相当する。