米投資家ウォーレン・バフェット氏、関税は「ある程度の戦争行為」
(CNN) トランプ米大統領が進める関税政策をめぐり、米著名投資家のウォーレン・バフェット氏は2日に放映されたCBSのインタビューで「われわれは関税について多くの経験を積んできたが、関税は実際のところ、ある程度の戦争行為だ」と語った。
関税はトランプ氏の大好きな言葉かもしれない。だが、バフェット氏にとってそれは、あまり喜ばしいものではない。
バークシャー・ハサウェイの最高経営責任者(CEO)で億万長者の投資家であるバフェット氏は、関税について、徐々に物品に対する税金として機能し、消費者価格を引き上げかねないと指摘する。
関税を引き上げることで国家間の貿易は混乱し、新たに発生したコストは価格上昇を通じて消費者に転嫁されることが多い。多くの経済学者は、関税について、貿易戦争で使われることもある政治的な手段であり、国際貿易の効率的な枠組みではないとみなしている。
「オマハの賢人」とも称される同氏は、関税の影響やそのコストを誰が負担するかを考える際、「その後どうなるのか」を問うことが極めて重要だと述べた。
トランプ氏は4日に米国の最大の貿易相手国であるカナダとメキシコに25%の関税を課す予定だ。3日には中国に対する追加関税を10%から20%に引き上げる大統領令に署名した。
経済学者は、関税により、電子機器から自動車まで、国際サプライチェーン(供給網)に依存する日用品の価格が上昇すると予想している。トランプ氏の関税案は、米国の消費者信頼感指数が低下し、インフレ懸念が消えない中で持ち出された。
中国は米国に対し独自の関税で対抗しており、トランプ氏の1期目と同様の貿易戦争の懸念をかき立てている。今回はさらに、欧州連合(EU)やその他の貿易相手国も標的となっており、米国製品に課税している国に対する「相互関税」も計画されている。
ラトニック商務長官は3日のCNNのインタビューで、関税に対するバフェット氏の発言を「ばかげている」と一蹴した。
バフェット氏は関税が戦争行為であるという発言について詳しく述べることはなかったが、関税は長い間、孤立主義的な外交政策に影響を与えてきた保護貿易政策と関連付けられてきた。米国が1930年にスムート・ホーリー法の一環として関税を引き上げた際、フランスのメディアがそれを(経済的な)宣戦布告と呼んだと報じられている(この関税引き上げは大恐慌を悪化させた)。
バフェット氏はこれまでも関税の悪影響について率直に発言してきた。2016年には、トランプ氏が選挙活動中に提案した関税は「非常に悪い考えだ」と述べた。