ジャイアントパンダの最古の親類? スペインで化石発見
(CNN) スペインの研究チームは15日までに、これまで見つかった中では最古のジャイアントパンダ類のものとみられる化石を同国北東部で発見したと発表した。
この化石は1150万~1250万年前のものとみられ、スペインの国立自然科学博物館などの研究チームが米科学誌プロスワンに発表した。
化石は成体2頭のものがあり、1体は2本の歯から、もう1体は下あごの骨と欠けた臼歯から構成される。この両方の化石を合わせて照合した結果、ジャイアントパンダ類の化石の可能性があると判断した。
これまでに発見されたジャイアントパンダ類の化石は、中国で見つかった720万~820万年前の化石が最古とされていた。
ただし、ジャイアントパンダがスペインで発祥し、スペインから中国に移ったと断定するには至っていない。パンダの進化の系統についてはまだ分かっていないことも多く、化石がパンダの直接的な祖先のものだと言い切ることは難しいという。
現代のパンダが主食とするササがスペインに生えていたかどうかも不明だが、当時のスペインは現在よりも温暖で湿度が高く、果実や植物も豊富だったとみられ、パンダがさまざまな植物を餌にしていた可能性や、ササと似たような植物があった可能性はあるという。
研究者は今回の発見について、「数百万年後のジャイアントパンダに結びつく系統の進化を探るうえで、極めて重要だ」と述べている。