ローマ法王がキリストの伝記を発売、生誕の常識覆す?
(CNN) ローマ法王ベネディクト16世が記したイエス・キリストの伝記「ナザレのイエス」の幼少期編が、このほど世界50カ国で発売された。キリストの生誕にまつわるこれまでの常識を覆す内容も含まれている。
同書は「ナザレのイエス」の第3部となり、福音書の学術的な研究を踏まえながら、12歳になるまでのキリストを描いた。これまでの2部では成人してからのキリストについて記していた。
著書の中でローマ法王は、現在のキリスト教の暦の根拠となった6世紀の修道士の計算には誤りがあったと指摘。実際にはキリストの生誕日は、現在考えられているよりも数年前だったと指摘した。
さらに、キリスト生誕の場面を描いた絵画に牛などの動物が登場することについても、福音書には、こうした動物がその場にいたことを示す根拠はないとした。また、天使がキリストの誕生を祝う歌を歌ったという伝説も否定した。
こうした内容について、宗教専門通信社のバチカン特派員は、ローマ法王の狙いはキリストにまつわる伝説を覆すことにあるのではなく、他の人と同様に地上を歩き、人と話をする歴史上の実在人物としてキリストを描くことにあると説明している。
同書は今後さらに12の言語に翻訳され、計72カ国で発売される。