警官が靴あげた「ホームレス」男性、実は家あった 米
ニューヨーク(CNN) ニューヨークで警官がホームレスの男性にブーツを与え、「心温まる行為」と話題となっていたことを巡り、この男性は住宅を所有していることが発覚した。
警官の行為は先月、ニューヨーク市警(NYPD)のフェイスブックのページで紹介され話題を呼んでいた。
米紙ニューヨーク・タイムズによれば男性はジェフリー・ヒルマンさん(54)。兄でペンシルベニア州に住むカーク・ヒルマンさん(62)はCNNの取材に対し、「寒い中、靴も履かずにいる弟を見てショックを受けた」と、ネットで写真を見た時の気持ちを語った。「弟はだいぶ前からホームレスなんだ。かなりの年月を路上生活で過ごしてきた」とカークさんは言う。
だがニューヨーク市によれば、ジェフリー・ヒルマンさんは厳密な意味での「ホームレス」ではない。同市のブロンクスにアパートを所有しているからだ。
ニューヨーク市ホームレスサービス局のセス・ダイヤモンド局長によれば、同局は数年前からヒルマンさんの存在を把握していた。「彼は安定した生活を送るために非常に重要な要素である家を持っている」と、CNNの取材に対しダイヤモンド局長は述べた。
軍隊経験のあるヒルマンさんは、元兵士の住宅取得を支援する連邦政府の制度を利用して一括払いでアパートを購入。つまり少なくとも「家賃を払うために路上で物乞いをする」必要はない状態だとダイヤモンド局長は言う。ヒルマンさんがこの家をどのように使っているかについては詳細を語らなかった。
ダイヤモンド局長はヒルマンさんの今後ついて、「今よりもっと健康的できちんとした生活を送らせたい。うちのスタッフは信じられないくらいあきらめが悪く献身的な人間ぞろいだから、今後も(働きかけを)根気よく続けるだけだ」と語った。