原子炉搭載の宇宙船 NASAチームの研究進む
(CNN) 宇宙船の動力源として信頼性のある小型原子炉を搭載する研究に、米航空宇宙局(NASA)とエネルギー省の共同チームが取り組んでいる。長年知られてきた既存の技術が応用されている。
ロスアラモス国立研究所がこのほど発表したところによると、チームは「ヒートパイプ」方式の熱制御を採用した原子炉で、空気の膨張と収縮を利用した「スターリング・エンジン」を動かし、24ワットの電力を起こすことに成功した。
ヒートパイプは1963年に同研究所で開発された技術。スターリング・エンジンの発明は19世紀にさかのぼる。比較的単純な仕組みで信頼性の高い電力供給を実現し、宇宙探査に応用するのが研究の目的とされる。米国で宇宙用原子炉の発電実験が実施されたのは、65年以来。
NASAグレン研究所のマーク・ギブソン氏によると、宇宙船にはこのシステムをいくつか搭載することにより、約1キロワットの発電が可能となる見通しだ。
研究者らによれば、原子炉は宇宙空間へ出てから稼動するため、地上での事故や打ち上げトラブルの懸念も最小限に抑えられるという。