米へ密輸された恐竜の化石、波乱の末モンゴルに返還

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写真提供:HERITAGE AUCTIONS

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ニューヨーク(CNN) モンゴルから米国に密輸され、オークションなどを経てさまざまな人物の手に渡っていた7000万年前の恐竜の化石が6日、海を隔てた所有権争いの末に、モンゴルに返還された。

争いの種となっていたのは、骨格がほぼ完璧な形で残るティラノサウルス・バタール(別名タルボサウルス)の化石で、高さ約2.4メートル、全長は約7.3メートル。ニューヨーク市で開かれた返還式で、米税関および検察当局からモンゴル政府代表に、正式に引き渡された。

裁判書面によれば、化石は2010年3月に英国から米国へ持ち込まれた。モンゴルの法律では恐竜の化石を政府の所有物と定め、国外への持ち出しを禁じているが、輸出関連書類には、原産地は英国と記されていた。しかし複数の古生物学者が、タルボサウルスの化石はモンゴルでしか出土しないと証言していた。

この化石に関連して、フロリダ州の自称「商業古生物学者」が12年12月に密輸などの罪を認めている。

一方、化石は同年、テキサス州の業者によってオークションに出品され、推定価格95万~150万ドルの値が付けられた。

これに対してモンゴルのエルベグドルジ大統領は弁護士を通じ、化石の販売差し止めを求める仮処分を申請。ダラス郡裁判所はこの申し立てを認めたが、オークションは仮処分命令を無視する形で実施され、化石は同年5月に105万ドル(現在のレートで約1億円)で落札された。

その後の数カ月で米当局は、化石がモンゴルのゴビ砂漠で1995年から2005年にかけて出土したものだと断定。米検察当局が法的措置を講じ、米移民税関捜査局(ICE)が化石を押収した。

モンゴル大統領府は正式返還を受け、「タルボサウルスは1年に及ぶ法的冒険を経て世界中で有名になり、真にモンゴルの英雄になった」とコメントしている。

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