ヤギ放牧で除草経費を削減? 米シカゴの空港
(CNN) 米シカゴ市の航空当局は8日、オヘア国際空港の敷地内で実験的にヤギの群れを放牧する計画を発表した。専門業者と2年契約を結び、「持続可能な植生管理放牧サービス」の提供を受けるという。
計画では、空港内の約50ヘクタールの敷地に25~30頭のヤギを放す。川岸や斜面など、一般的な手段では維持管理費がかさむ土地の草をヤギたちに食べてもらおうという狙い。
ヤギが滑走路に紛れ込んだりしないよう、飛行場との間にはフェンスを設け、空港の敷地内に出ている間は監視を続ける。夜間は近くにある輸送トレーラーに収容するという。
空港は、ヤギの導入によって経費削減と二酸化炭素排出量の削減が見込めるほか、除草剤の使用量も減らせると期待する。ヤギ放牧の経費は2年間で約10万ドル(約1000万円)を見込んでいるが、自治体や州の税金は使わないと強調した。
米国でヤギを放牧している空港はほかにもある。サンフランシスコ空港は毎年6月、敷地の西側にヤギを放ち、雑草を食べさせている。重機などを使わずに済むため、同地に生息する絶滅危惧種を危険にさらすことなく除草ができると担当者は説明する。
一方、シアトル・タコマ空港は2008年にヤギを導入したものの、「保護したかった木々や自生種の植物も含め、ヤギたちは何でも構わず食べてしまう」(同空港広報)という理由から、わずか1週間で打ち切りになった。