マンモスがクローンで蘇る? 死骸から液体状の血液採取
(CNN) ロシアの大学の研究チームが保存状態の極めて良好なマンモスの死骸をシベリアで発見し、液体状の血液を採取することに成功したと発表した。絶滅したマンモスをクローン技術を使ってよみがえらせる計画が1歩実現に近付いたと期待を寄せている。
ヤクーツクにある北東連邦大学の研究チームは、ロシア北東部のリャホフスキー島で、氷の中から1万年前のメスのマンモスの死骸を発見。腹部の下のあたりを突き刺したところ、血液が流れ出したという。
この時の気温はマイナス7~10度程度だったといい、「マンモスの血液には凍結を防止する性質があるのかもしれない」と研究者は推定する。筋肉組織の断片には生肉の自然な赤い色が残っていたといい、死骸の一部が氷に埋まっていたことから保存状態が良かったとみられる。
研究者は地元紙の取材に対し、マンモスの血液が液体状で見つかったのは今回が初めてだと指摘。「この個体は水に落ちたか沼にはまり、抜け出せなくなって死んだと思われる。そのために、下あごや舌の組織を含む体の下部が良好な状態で保存されていた」と解説している。
同大学は、韓国の黄禹錫(ファンウソク)氏が率いる秀岩生命工学研究院との共同プロジェクトを通じ、クローン技術を使ってマンモスをよみがえらせたい意向。液体状の血液は、その実現に向けた極めて貴重な材料になると見ている。
黄禹錫氏は、かつてクローン研究で注目されながら、論文捏造(ねつぞう)が発覚して謝罪に追い込まれた研究者。
マンモスの死骸はまだ発見場所にそのまま残してあるといい、海外の研究者も加わって7月に詳しい調査を予定している。