中国、政府庁舎の建設を5年間禁止 「豪華絢爛」に歯止め
香港(CNN) 中国の共産党中央委員会と国務院(内閣に相当)は25日までに、地方政府も含めた庁舎や訓練センター、ホテルの新たな建設を向こう5年間全面的に禁じる共同の通達を伝えた。国営新華社通信が報じた。
高価かつ不必要な改修工事も禁じたが、建物の安全性改善や業務遂行の確保などに必要とする場合の改修は認められた。通達を破った当局者は厳しく罰せられるとも伝えた。
新華社は、通達はより透明感を持つ政府の確立と、党と国民の間の関係強化を図る上での重要な措置と伝えた。
中国では近年、フランス国王だったルイ14世の宮殿や米大統領のホワイトハウスを思わせるような豪華絢爛(けんらん)な国営企業本社や地方政府庁舎が出現し、拡大する貧富の差や官僚の汚職がはびこる社会情勢を背景に国民の反感を買う結果となっていた。
ぜいたくな建物の好例は中国北東部のハルビンにある国営製薬企業の本社とされ、パリ郊外にあるベルサイユ宮殿を模したものといわれる。天井にはクリスタルガラスのシャンデリアがあしらわれ、壁には金製のパネルが装飾される廊下などが誕生していた。
昨年末に最高指導者に就任した習近平(シーチンピン)国家主席は汚職と派手な支出などの根絶を政策の重要課題と位置付け、「汚職は党や国家の崩壊につながる」と警告。行政当局者らに対し、清潔な行政組織の構築、自己努力や親族などの行動の抑制を再三呼び掛けている。