米スペースX、有人宇宙船「ドラゴンV2」を初披露
(CNN) 米宇宙ベンチャー、スペースXの創業者イーロン・マスク氏は29日夜、ウェブ上でのライブ放送で同社の新型宇宙船「ドラゴンV2」を初披露した。
ドラゴンV2は高さが約4.5メートルで、先端がアイスクリームのコーンのような形をしている。マスク氏によると、7人の宇宙飛行士を乗せ、数日間飛行できるという。
創業12年のスペースXはすでに宇宙業界で確固たる地位を築いているが、ドラゴンV2は、国際宇宙ステーション(ISS)に人を送り届け、再び地球に連れ戻すことができる同社初の有人宇宙船であり、同社にとって重要な節目といえる。
自動車メーカー、テスラ・モーターズの創業者でもあるマスク氏は「(ドラゴンV2は)あらゆる点で、技術の大躍進と言えるだろう」と述べ、さらに「今後、宇宙船をめぐる状況は次の段階に進む」と付け加えた。
ドラゴンV2で従来モデルから大きく改善された点の1つは、再利用可能という点だ。これによりコストが下がり、人間による宇宙探索の機会が広がる。マスク氏によると、推進力など、地球の軌道への復帰を遅らせたり、下降を制御する技術のおかげで、ヘリコプターのように、ほぼどんな場所にも着陸可能だという。
スペースXは、米航空宇宙局(NASA)との総額16億ドルの契約の一環として予定されている国際宇宙ステーション(ISS)への12のミッションのうち、すでに3つに着手しており、2012年に実現した民間機とISSの初めてのドッキングもその1つだ。しかし、これまでの宇宙旅行はすべて物資のみの輸送か無人だったため、今回披露されたドラゴンV2による初の有人飛行の実現が期待されている。