注目のパンダ、餌が欲しくて妊娠のふり? 中国
(CNN) 中国・四川省の成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地で妊娠の兆候が表れ、出産の様子が史上初めて生中継されることになっていたメスのジャイアントパンダが、実は妊娠していなかったことが28日までに分かった。飼育環境の改善を期待して「妊娠のふり」をしていた可能性もあるという。中国国営新華社通信が伝えた。
注目のパンダは6歳のメス「アイヒン」。動きが少なくなって黄体ホルモンが減少するなど妊娠の兆候が7月に表れた。しかしほぼ2カ月たって、普段通りの様子に戻ったという。
繁殖研究基地が25日に新華社に語ったところでは、アイヒンは単なる想像妊娠ではなく、「生活の質」を改善させるため妊娠したふりをしていた可能性があるという。
専門家によれば、パンダは待遇が良くなることを認識すると、妊娠初期のような行動をして見せることがある。「妊娠の兆候が表れたパンダはエアコンの効いた部屋に移し、24時間態勢で世話をする。餌のパンや果物やササの量も増やすので、頭のいいパンダは生活の質を改善しようとこれを利用してきた」と同研究基地の専門家はコメントしている。
アイヒンの出産の様子は生中継され、生まれた赤ちゃんが成長していく様子もインターネットで世界に公開されるはずだった。
飼育されているジャイアントパンダは繁殖が難しく、想像妊娠も一般的。行動や生理現象を注意深く観察しても、正しく推定できるとは限らない。無事生まれたとしても、中国で飼育されているパンダの赤ちゃんの生存率は3分の1~半分程度にとどまる。
そうした中で7月には広東省の動物園で、元気な3つ子のパンダが生まれた。スコットランドのエディンバラ動物園でもパンダの赤ちゃん誕生が期待されている。