夜の図書館?、デジタル化をものともしない人気書店の秘密は 台湾
誠品書店が中国市場進出をもくろむ中、同社の「自己検閲」を指摘する声が上がっているのだ。地元紙の報道によると、上海や蘇州への出店計画を控えた同社は、チベットや人権問題など中国当局を刺激する内容を扱った本について、販売を中止したとされる。
同社はこの報道を否定している。CNN記者が書店を取材した際も、中国で発禁扱いを受けている王力雄氏らの著書が取り扱われているのを目にした。
また、台湾独自の文化となった24時間営業スタイルを国外で再現できるかどうかも不透明だ。実際、香港店では1カ月の試験運用の末、24時間営業スタイルを一部見直しすることが決まった。
そもそも同社のビジネスモデルは直感的にわかりにくい。深夜に訪れる客の多くは書店を図書館代わりに利用しており、何時間も立ち読みした後、一冊も購入しないで店を後にするのが普通だ。もっともワン氏は、「親しみやすい空間」の醸成が同社の成功の鍵だとして、この現象を歓迎している。