夜の図書館?、デジタル化をものともしない人気書店の秘密は 台湾
カフェやレストランを併設し、本だけでなくデザインやファッションを楽しめる場として書店を多様化させる戦略だ。
同社の広報担当ティモシー・ワン氏によると、13年の売上高は4億2500万ドルに上り、そのうち本の売り上げが40%を占める。今年の売り上げは8パーセント近く増加する見込み。文学とデザインを共存させ、流行に敏感な若者を実店舗に引き付けることで、デジタル化の波をかわしつつ好業績を上げることに成功した形だ。
例えば、24時間営業を展開する誠品敦南店は5階建てで、ファッションや音楽、食品といった多様なテーマに沿って各フロアが構成されている。最上階はフロア全体が書籍に充てられている。書店内のカフェでコーヒーをすすりながら夜のひとときを過ごすのが、台湾の若者の「クール」だ。
また、誠品書店は、台湾を訪れる外国人観光客の目玉スポットにもなっている。共産党の検閲の下では読むことができない本を求めて中国から訪れる客もいる。同社によると、台湾を訪れる観光客の4人に1人が来店するという。
しかし、同社の将来については懸念もある。