米国の小学生、家で勉強しすぎ? 調査結果に専門家が警鐘
(CNN) 米国の小学校低学年の子どもたちが、推奨されるよりもはるかに長い時間を宿題に費やしていることがこのほど実施された調査から明らかになった。これを受け教育の専門家らは、学習効果や生活面にさまざまな悪影響が及びかねないとの懸念を示している。
12日に刊行されたアメリカン・ジャーナル・オブ・ファミリー・セラピー誌掲載の調査では、英語、スペイン語で生活し、幼稚園から12年生(高校3年生に相当)までの子どもを持つ親1100人以上を対象に家での学習時間に関するアンケートを実施した。その結果、小学1年生の勉強量について、全米教育協会(NEA)などの専門的団体が支持する水準の3倍近くに達していることが分かった。
これらの団体が標準と定める児童らの1日の家庭学習の時間は1年生なら10分、2年生なら20分と、学年が上がるに従って10分ずつ増えていくというもの。これに対しアンケート結果では、1年生で28分、2年生で29分近くを家での勉強に充てていた。
さらに幼稚園児の場合も、1晩に25分間学習しているとの回答が親から寄せられた。
ニューイングランド小児心理学センターの臨床部長で今回の調査に携わったステファニー・ドナルドソンプレスマン氏は「本来家庭学習の必要がないとされている幼稚園児が、小学3年生と同じくらいの量の勉強をやらされている。この事実がとりわけ衝撃的だ」と述べた。
その上で、推奨される時間を超えての家庭学習について「成績向上に寄与しないばかりかかえって学校が嫌いになり、自信の喪失や生活の質の低下などを引き起こすことが非常に多くのデータによって実証されている」と指摘した。