「重力波」の観測に成功 アインシュタインが予言
(CNN) 米マサチューセッツ工科大学などの研究チームでつくる重力波観測プロジェクトの「LIGO」は11日、アインシュタインが100年以上前に相対性理論で予言していた重力波をとらえることに成功したと発表した。
米首都ワシントンで研究チームとともに記者会見したLIGO代表のデービッド・ライツ氏は、「重力波を検出した。ついにやった」と喜びを語った。
重力波は「時空のさざ波」と呼ばれる現象で、ライツ氏によると、今回の重力波は2つのブラックホールの合体によって発生した。一方のブラックホールは太陽29個に相当する質量、もう1方は36個に相当する質量を持っていて、それぞれ直径は50キロほどだったと推定される。
LIGOの推定では13億年ほど前にこの2つのブラックホールが光速の半分ほどの速度で衝突。重力波はあらゆる物質を突き抜けることから、13億年かけて宇宙を旅して地球に到達した。
地球の周りの空間は、この重力波で「ゼリーのように」(ライツ氏)引きのばされたり圧縮されたりしたという。LIGOは2015年9月14日、陽子の1000分の1の大きさのゆがみも測定できる機器を使って、この重力波を観測した。