2085年の夏季五輪、アジアで開催できるのは2都市だけ?
(CNN) 2085年までに夏季五輪を開催できる主要な都市は西欧地域を除くとわずか8都市で、アジアに限ればキルギスの首都ビシュケクとモンゴルの首都ウランバートルの2都市だけである可能性があることが18日までに分かった。英医学誌ランセットで発表された地球温暖化が夏季五輪に及ぼすリスクに関する研究結果で明らかになった。
研究では、「酷暑のせいで、いつ、どこで、どのように五輪が開催され得るのかについて制約が増していることは、より大きな問題を示している」と指摘。研究の執筆者の1人は、イベントを開催するために大金を投入するならば、イベントが間際になってキャンセルされる確度についても知りたいと思うだろうとの見方を示す。
研究では、気温と湿度のデータを使い、夏季五輪を屋外で開催した場合にどの都市が最も危険度が高いか予測した。競技としてはマラソンを想定している。
耐久力を競うイベントは高温の最初の犠牲者になる可能性が高い。耐久力を競うイベントは広い場所を必要とするため屋外で行われることが多く、肉体的にも厳しい。典型的なのはマラソンだろう。
今年、ロサンゼルスで行われた米国五輪マラソンチームの選考レースの完走率はわずか70%前後だった。
調査対象となったのは、世界の人口の90%を占める北半球にあって、高山病を避けるため高度1マイル(約1600メートル)以下に位置し、さらに、五輪は比較的大都市で行われることから2012年に少なくとも60万人の人口を抱えている都市。
研究は、地球温暖化が進めば一般の人たちの間での運動習慣も変化を強いられる可能性があると分析。「もし最も優秀なアスリートが気候変動から守られる必要があるなら、残りの人々はどうなる」と訴えている。