英国発、廃棄食材カフェが台頭<6> 業界や政界の取り組み
(CNN) 英小売協会(BRC)は、スーパーが各地に存在する、より大きな問題のスケープゴートにされていると主張する。
BRCのアンドリュー・オーピー氏は、「スーパー内の無駄のレベルなど、食品廃棄の問題全体のほんの一部分にすぎない」とし、「むしろわれわれが取り組むべきは、家庭内の無駄の削減だ。これはスーパーも協力できるが、われわれは消費者としてやろうと思えば誰でもできる」と指摘した。
またオーピー氏は、小売業者らは食品の寿命を延ばすため、賞味期限の見直しに取り組んできたと指摘する一方、特に免疫力の弱い消費者が賞味期限の切れた食品を食べることの健康上のリスクを強調した。
大手スーパー各社は、2025年までに食料の無駄を20%削減すると公約している。しかし、報告されている食料の無駄の数字は、個々のスーパーの無駄ではなく、食品業界全体の無駄を示すもので、透明性に欠けるとの声もある。
この点について、ケリー・マッカーシー議員は、「どのスーパーが無駄の削減に真剣に取り組み、どのスーパーが何もしていないかを見極めるために、無駄の監査を義務付けることが極めて重要になるだろう。中にはどれだけ食料を無駄にしているかを明らかにされたくない人もいる」と述べた。マッカーシー氏は、食料の無駄を削減するための2つの法案を議会に提出したが、いずれも否決された。
またマッカーシー氏は、スーパーに余った食品を慈善団体や配給業者に提供することを義務付ける、フランスの法律を手本にした新たな法律や、仮に無償で提供された食品を食べた人が食中毒になっても善意の提供者は罪に問われないとする「善きサマリア人の法」も提案した。
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次回「英国発、廃棄食材カフェが台頭<7> 『世界に食べ物を』」は11月25日公開