ホッキョクグマ脅かす海氷縮小、「密着カメラ」で影響観察 米

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空腹を抱えたクマが村落などに入り込み、人間と遭遇するケースも増えている

空腹を抱えたクマが村落などに入り込み、人間と遭遇するケースも増えている

「住民がクマを退治しようとするのはもっともな反応だ」と、ダウニー氏は指摘する。このためWWFは、クマを殺さずに爆竹で撃退する方法や、食料の正しい貯蔵法などの知識普及に努めているという。

FWSは2008年、ホッキョクグマを絶滅危惧種法に基づく保護対象に指定。人間との遭遇や狩猟を防ぎ、生息地を守り、石油流出事故のリスクを抑えるなどの対策を呼び掛けてきた。

同時に長期的な対策として、気候変動問題への対応を強く呼び掛けている。

世界には現在、約2万6000頭のホッキョクグマが生息していると推定される。しかし気温上昇がこのまま続けば、このうち3分の1は2050年までに死滅してしまうと、科学者たちは警告する。

ダウニー氏はCNNとのインタビューで「ホッキョクグマのいない北極を私たちは知らない。北極圏とそこに住む人々にとって、そして人類にとって大きな損失になるだろう」と述べた。

米航空宇宙局(NASA)が最近公開した北極圏のアニメーション映像には、1984年以降の海氷の変化が映し出される。何年間も融けずに残るはずの古い氷の面積が、急激に縮小している様子が分かる。

北極圏では昨年、過去の平均を20℃以上も上回る気温を記録した。この現象をどう説明すればいいのか、科学者たちの間で議論が続いている。

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