感染症撲滅へ、武器は「蚊の工場」<6> 蚊を解き放つ
しかし、村民らは蚊を放出しに来る科学者らを常に歓迎していたわけではなかった。
同島に住むルイイン・リアンさんは当初、すでに蚊がはびこっている島に科学者らがさらに蚊を放出するという案に不安を感じたという。
しかし、自分もデング熱にかかるかもしれないという不安が、最終的に疑念の払拭(ふっしょく)につながった。島のある広東省では2014年にデング熱が大発生し、感染が確認された患者数は過去最高の4万5224人を記録し、ここ数十年で最も深刻な被害が出た。
「(蚊の放出について)当初は違和感を抱いたが、時間の経過とともに蚊が減っていくのが分かった」とリアンさんは語る。
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次回「感染症撲滅へ、武器は『蚊の工場』<7> 『多くの命を救いたい』」は2月24日公開