大音響出す新種のエビ、「ピンク・フロイド」と命名
(CNN) 鮮やかなピンク色のハサミを使って大音響を出す新種のエビがこのほど太平洋で発見され、ロック好きの研究チームが英国の伝説的なバンドにちなんで「ピンク・フロイド」と命名した。
ピンク・フロイドはテッポウエビの仲間で、米シアトル大学と英オックスフォード大学自然史博物館、ブラジル・ゴイアス連邦大学の研究チームが発見した。
テッポウエビは、大きなハサミをいきなり閉じる動作で衝撃波を発生させ、「海中で最大級の大音響」を鳴り響かせる。この音に驚いて小さな魚が死ぬこともあるという。
研究チームを率いるオックスフォード大学博物館のサミー・デグレイブ氏は、14歳だった1979年にリリースされたアルバム「ザ・ウォール」以来、ピンク・フロイドの音楽を聴いて育ったという熱烈なファン。「この新種のテッポウエビで、私の大好きなバンドへの愛着を表現する絶好の機会がついに訪れた」と話す。
論文の第1筆者のアーサー・アンカー氏も、職場のBGMとしてピンク・フロイドをよく流しているといい、「バンドと自分の仕事が科学文献でうまく組み合わさった」と満足そうだった。
研究チームによると、テッポウエビのピンク・フロイドは中米パナマの太平洋に面したラスペルラス諸島で発見され、太平洋東部の熱帯の海に広く分布していると思われる。論文には、生命が生息できない「Dark Side of the Moon」(ピンク・フロイドのアルバム名:邦題「狂気」)では発見できないだろう、という一文も付け加えている。
新種の命名では、2015年にもイトトンボの仲間がピンク・フロイドの4番目のアルバムにちなんで「ウマグマ」と命名されたことがある。