南極の巨大氷山、大陸から分離 重さ1兆トン

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南極西部の半島から巨大な氷山が分離した

南極西部の半島から巨大な氷山が分離した

(CNN) 南極大陸西部にある南極半島で、重さ1兆トンを超す巨大な氷山が棚氷から分離した。棚氷の亀裂の様子を観測していた英MIDASプロジェクトの研究チームがこのほど発表した。

分離した氷山の面積は5800平方キロ。北米のエリー湖の約2倍、英ロンドン市の約3倍に相当する。10~12日の間に、南極半島の「ラーセンC」と呼ばれる棚氷から分離したことが、米航空宇宙局(NASA)の衛星で確認されたという。

この氷山は「A68」と命名される見通し。南極から分離した氷山の中で最も面積が大きいのは、2000年3月にロス棚氷から分離した「B15」の1万1007平方キロで、A68はその半分程度の面積になる。

ラーセンCは南極で4番目に大きい棚氷。1年以上前から亀裂が拡大する様子が観測されていた。南極半島では1995年に「ラーセンA」棚氷が、2002年には「ラーセンB」棚氷が分離している。今回の分離によって、ラーセンCの面積は12%以上縮小し、半島の地形も大きく変化した。

分離は自然現象だが、研究チームは地球温暖化が影響を及ぼした可能性についても調査している。MIDASプロジェクトチームの研究者によると、気候変動との直接的な関係は現時点では確認されていないという。

これに対して米カリフォルニア大学の研究者は、地球温暖化が南極の不安定化の一因になっていることは明らかだと指摘。「今回の分離は、棚氷が薄くなりすぎていることの証だ」「薄くなっているのは気候の温暖化が原因であり、あと数十年でこの棚氷は崩壊する。これは間違いなく気候温暖化に関係している」と警鐘を鳴らした。

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