代替療法選んだがん患者、死亡リスク2倍に 米研究
(CNN) 治療可能ながんに対して代替療法を選んだ患者は一般的な治療を受けた患者に比べ、死亡リスクが2倍になるという研究結果が米国立がん研究所の専門誌にこのほど発表された。
一般的ながんの治療法には、手術や化学療法、放射線療法などが含まれる。これに対して医師ではない人物による効果が実証されていない療法は、代替療法に分類される。
研究チームを率いる米イエール大学のスカイラー・ジョンソン氏によると、一般的な治療法を拒んだり遅らせたりして代替療法を選ぶ患者は増える傾向にあるという。
そうした患者は結果として、がんが進行して大きくなったりほかの部位に転移したりしているとジョンソン氏は指摘し、「がんが大きくなって拡散すれば、回復の可能性は低くなる」と危惧する。
例えばステージ1の乳がん患者の5年後の生存率はほぼ100%。しかしステージ4まで進行すると、20~25%に低下する。
研究チームは2004~13年にかけて米国でがんと診断され、米国立がんデータベースに登録された患者840人の情報を集め、米国で患者数の多い乳がん、前立腺がん、肺がん、結腸直腸がんの症例について調査。代替療法を選んだ280人と、一般的な治療を受けた560人の生存率を比較した。
その結果、代替療法を選んだ患者が5年半後に死亡している確率は、一般的な化学療法・手術・放射線治療を受けた患者の2.5倍に上っていた。