代替療法選んだがん患者、死亡リスク2倍に 米研究
特に乳がん患者の場合、代替療法を受けた患者が死亡するリスクは一般的な治療を受けた患者の5倍に上る。結腸がん患者は4倍、肺がん患者は2倍だった。一方、前立腺がんではリスクが上昇する傾向はみられなかった。
代替療法を選ぶ理由は人によってさまざまだが、一般的な治療と同じ効果があって副作用はないと信じたり、体験談を披露している患者が実は一般的な治療も受けていることが知られていない場合もあるとジョンソン氏は指摘。病院や医師に対する不信感もあるかもしれないと推測する。
代替療法を選ぶのは、高収入、高学歴で健康状態の良い患者の方が多いことも分かった。
ジョンソン氏はこの研究について利益相反はないとしている。一方、論文の共著者3人のうち2人は製薬会社から研究費の助成を受けている。
この研究についてがん専門医のデービッド・ゴースキ氏は、「同様の結果を示している研究はほかにもあるが、残念ながら比較的数は少ない」とコメントしている。「代替療法はがん患者を殺す」と同氏は断言。「実質的に一切の治療を拒むに等しく、費用もかさんでトラブルを招く」と解説している。同氏は今回の研究に関与していない。