結婚すると認知症になりにくい?、独身者は42%のリスク上昇
(CNN) 生涯を通じて独身だった人は結婚している人に比べて、アルツハイマーなどの認知症を発症するリスクが42%高い可能性がある――。英ロンドン大学の研究チームがそんな論文を発表した。
この論文は28日の学術誌に発表された。それによると、配偶者に先立たれた人は、認知症になるリスクが20%高いことも判明。身体的な健康状態を考慮しても、独身者の方が認知症のリスクが高いという結果に変わりはなかったという。
ただし、結婚と認知症リスクとの間に直接的な因果関係はない。「配偶者やパートナーと同居していると、例えば一般的に健康的なライフスタイルになり、社会的刺激が多いといった、さまざまなライフスタイル要因に関係する」。ロンドン大学のアンドルー・ソマーラッド氏はそう解説する。
研究チームは2016年12月までに発表された結婚と認知症に関する15の論文で、欧州やアジア、米国などの計81万2047人について調査した。非婚のカップルが同居している場合も結婚として分類した。
その結果、年齢や性別を問わず、生涯独身の人やパートナーを亡くした人の方が、結婚している人に比べて認知症を発症する確率が高いことが分かった。
ただ、離婚した人の認知症リスクと、結婚している人の認知症リスクの間に違いは見られなかったという。
研究チームは今回の結果について、「結婚している人の方が認知症を発症する可能性が小さいということを示す強力な証拠」と位置付ける。ただし因果関係がはっきりしないことから、今後の研究では社会との関係や健康的なライフスタイルの影響なども調べる必要があると指摘した。