ツタンカーメン王の墓、隠し部屋「なかった」 エジプト
(CNN) エジプト考古省は8日までに、ツタンカーメン王の墓にあると思われていた「隠し部屋」について、実際には存在しないことが分かったと発表した。
ツタンカーメン王の墓の北側と西側の壁画の裏に隠し部屋があるという説は、英考古学者ニコラス・リーブズ氏が発表。2015年には、この隠し部屋にネフェルティティが埋葬されている可能性を指摘していた。ネフェルティティは、ツタンカーメンの父、アメンホテプ王の妻だった。
しかしエジプト考古省の発表によると、イタリアのトリノ工科大学が数カ月がかりで地中レーダーを使って調査した結果、ツタンカーメン王の墓の内部にも隣接区画にも、隠し部屋は存在しないことが確認された。
「隠し部屋は存在せず、入り口やドア枠の形跡もない。これは、埋葬室の隣接区画か内部に、通路または部屋が存在するとしたこれまでの説と矛盾する」。発表ではそう述べている。
エジプト考古相は以前、ツタンカーメンの墓の壁の向こうには、90%の確率で隠し部屋が存在すると断言していた。
ツタンカーメン王の墓は3000年前のもので、1922年に発見された。死亡時の年齢は19歳。2010年に発表された論文では、足の骨折で感染症を患い、マラリアのために死亡した可能性を指摘している。
ネフェルティティの墓は見つかっていないことから、さまざまな憶測の的になっていた。