謎の巨大石棺開く、中から3体の人骨 エジプト
(CNN) エジプトの考古学者らがこのほど、北部アレクサンドリアの建設現場で発見した巨大な石棺のふたを開けて中身を確認した。過去に開けられた形跡のない黒色花崗(かこう)岩の石棺の中には、しみ込んだ汚水につかった3体の人骨が横たわっていた。
考古省が公開した写真には、考古学者のグループが石棺のある深さ5メートルのくぼみへと下りていき、板材を使って石棺のふたをこじ開ける様子が写っている。悪臭が立ち込めていることから、メンバーはマスクで口や鼻を覆っている。
石棺を調べた考古学者の1人は、中から見つかった遺体について、省のフェイスブックページに、3人の軍人のものである公算が大きいと述べた。
石棺は縦265センチ、幅165センチ、高さ185センチ。発見された地点は、アレクサンドリアで最大規模の古代墓地の一部だった。省の当局者はCNNの電話取材に対し「遺体の1つには頭に矢を受けた痕がある」「戦闘中に死亡した証拠と考えられる。1つの巨大な石棺に3人の遺体を入れたのは、そうした背景によるものかもしれない」と説明した。
今月1日の発見以来、石棺の中身については様々な臆測がなされてきた。ただ実際には財宝の類いは収められておらず、遺体も損壊が進んで人物の特定はできない状態だった。
石棺自体の年代はプトレマイオス王朝期に当たる紀元前305~30年とみられるが、碑文が存在しないため詳細な特定は困難だ。後の時代に再利用された可能性を指摘する専門家もいる。
エジプト国営メディアによると、遺体はこの後アレクサンドリアの国立博物館で医学的な分析にかけられる予定だ。