体高3メートルの「象鳥」、目ほとんど見えず 骨格調査で判明

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マダガスカル島に生息していた「象鳥」。夜行性で視力はほとんどなかったという/John Maisano for the University of Texas at Austin Jackson School of Geosciences

マダガスカル島に生息していた「象鳥」。夜行性で視力はほとんどなかったという/John Maisano for the University of Texas at Austin Jackson School of Geosciences

(CNN) アフリカ東部マダガスカル島のジャングルの中をわずか500年前まで歩き回っていた巨大な「象鳥」は、夜行性でほとんど目が見えなかった――。そんな研究結果が30日の学術誌に発表された。

象鳥の体高は約3メートル。500~1000年前に絶滅した飛べない鳥で、米テキサス大学の研究チームが2頭の頭蓋骨(ずがいこつ)を調査した。

姿はエミューやダチョウに近いものの、日中に活動するダチョウなどが優れた視力を持っているのに対し、象鳥はニュージーランドに生息するキーウィと同様、ほとんど目が見えなかったらしいことが分かった。キーウィはやはり夜行性で、大きさはニワトリ程度。

鳥の頭蓋骨は脳に密着しているため、頭蓋骨は脳と同じ形状をしている。研究チームが象鳥の脳を再現した結果、視力をつかさどる視葉という神経が異常に小さく、ほぼ存在しないような状態だった。これはキーウィによく似ているという。

動物が夜行性になるのは、日中の天敵を避けるため、あるいは夜行性の動物を捕食するためと言われる。しかし象鳥は草食性で、天敵もいなかったと思われる。

夜行性は象鳥とキーウィに共通する祖先から受け継いだ特性で、目が見えなくても嗅覚(きゅうかく)などで補っていたと研究チームは推測している。

象鳥が絶滅した理由は不明だが、人間による狩猟や生息地の破壊、気候変動などの影響が考えられる。これまでの研究では、数千年にわたって人間と共存していた可能性があることも分かっている。

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