中国の研究者、遺伝子操作で双子誕生と主張 病院は関与否定
賀氏の発表は、独立した立場からの検証も、専門家による検証も受けていない。だがもし事実だとすれば、胎児の遺伝子操作を巡る重大な倫理問題を生じさせかねない。
妊娠を目的とした受精卵の遺伝子操作は、米国など多くの国で禁止されている。
中国の科学者120人あまりは、SNS大手「新浪微博(ウェイボー)」を通じて連名で声明を発表し、人の遺伝子操作研究を強く非難した。「人に対する直接的な実験は狂気以外の何物でもない。生きた人間が製造されれば、それがどんな影響をもたらすかは誰にも予測できない」と指摘し、今回の実験は中国の生物医学の評判に対する「大打撃」だとしている。
英オックスフォード大学のジュリアン・サバレスキュ氏は、今回の研究について「遺伝子のロシアンルーレット」と形容。「受精卵は健康で、病気は確認されていなかった。遺伝子操作自体が実験的で、予想外の変異と関係しており、人生においてがんの発症などの遺伝子問題を生じさせかねない」と指摘する。
英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのジョイス・ハーパー氏も「時期尚早で危険かつ無責任」と非難し、この問題に関する論議や法制化を呼びかけている。