世界最大の立像も登場、インドで巨大像の建造がブームに
シヴァージーが像のモデルに選ばれたのは、パテールと同様、基本的に政治的理由と考えられる。シヴァージーが統治したマラーター王国の時代は、復活したインド人民党主導のヒンドゥー・ナショナリズム運動において「黄金期」として描かれることが多い。
巨大像の建設競争
巨大な像が自信の表れだとしたら、アジアは自信にあふれているようだ。ここ数年、フィリピン、インドネシア、ミャンマーが高さ30メートル以上の像の建設を発表(または建設を開始)した。
米シンクタンク、ブルッキングス研究所インド支所の外交政策学フェロー、ドルヴァ・ジャイシャンカー氏は、像の建設は国の技術能力の投影と見ることができると指摘する。
像の建設の一部は、単純に能力、すなわちインドのエンジニアリング企業が像を建設することができ、そのための資金や資源を有するという事実と関係しているという。
しかし、ジャイシャンカー氏は、巨大な像には象徴的地位もあると指摘する。同氏は、「超高層ビルや巨大な記念碑といった大規模な建造物には立派な価値があると考えられている」とし、「日本では70年代と80年代に巨大な像の建造が増加し、中国では90年代と2000年代、そしてインドではここ10年間に巨大プロジェクトが相次いで立ち上げられたようだ」と述べた。
日本ではもう巨大な像の建造は行われていないため、間もなく完成予定の巨大像の大半は中国とインドに集中している。両国が互いをライバル視しているのは明らかで、特に像の高さの世界記録更新に躍起になっている。