半年間のウォーキングで思考力が改善、脳の9歳若返りも 米研究
実験を行ったデューク大学のブルーメンソール氏は、今回の被験者について「それまでほとんど運動せず、認知障害が確認された高齢者だった。しかし誰一人脱落せず、全員が自分で運動プログラムを継続できた」と評価する。
DASHの食生活だけで運動をしなかったグループは、統計的には思考力にそれほどの改善は見られなかった。
一方、運動とDASHを組み合わせたグループは大幅な改善が見られ、実行的思考能力のテストで平均約47点を獲得。これと比較して運動のみのグループは42点、食生活や運動習慣を変えなかったグループは38点だった。
運動とDASHの両方を行ったグループはさらに、脳が9歳若返ったと判定された。
実験を開始した時点で、被検者の実行機能年齢は平均93歳と、実年齢の65歳を28歳も上回っていた。
しかし6カ月間の運動とDASHを続けた結果、脳の実行機能年齢は84歳まで若返った。
ただし、記憶力についてはどのグループにも改善は見られなかった。これについてアイザクソン氏は、「ライフスタイルに介入すれば実行機能の改善は早い。だが記憶力が反応するにはもっと時間がかかる」「もしこの研究を18カ月間続けていれば、記憶力も改善したはずだ」と話している。