NASAの火星探査機、15年の任務終了 懸命の呼びかけにも応答なし
(CNN) 米航空宇宙局(NASA)は13日、15年にわたって火星の地表を探査してきた「オポチュニティー」のミッションが終わったと発表した。オポチュニティーは昨年6月に火星を襲った砂嵐で通信が途絶え、12日に最後の接触を試みたが、反応はなかった。
NASAのトーマス・ザブーケン科学局長は記者会見の中で、「火星がかつて湿潤で生命の存在できる惑星だった可能性があることを教えてくれ、未知だった火星の地形を明らかにしてくれた」と振り返り、オポチュニティーをしのんだ。
太陽光発電で稼働していたオポチュニティーは、砂嵐で太陽光が遮られたために、昨年6月10日以来、通信が途絶えていた。11月から1月にかけて予想された風も、センサーやパネルの砂を払う助けにはならなかった。NASAでは何度も信号や命令を送って復旧を試みたが、835回以上も送信した復旧命令に応答はなかった。
NASAジェット推進研究所の火星探査プロジェクト責任者ジョン・カラス氏は、「オポチュニティーを復旧させるために考えられる限りの努力をしてきたが、信号を受信する確率はあまりに低すぎて、これ以上復旧の取り組みを続けることはできないと判断した」と明らかにした。
関係者は長期間続いたミッションを評価する一方で、オポチュニティーとの別れを惜しんでいる。ザブーケン氏は「科学には感情が入る。これはチームスポーツだ」と語る。
オポチュニティーは双子の探査車「スピリット」とともに2003年に打ち上げられ、04年に火星に着陸。スピリットが2009年に動けなくなった後も活動を続け、当初90日を予定していたミッションは15年間に及んだ。
火星の地表では探査車「キュリオシティー」が活動を続けている。キュリオシティーは、オポチュニティーに別れを告げる詞をツイートした。
It seems to me you lived your life
— Curiosity Rover (@MarsCuriosity) 2019年2月13日
like a rover in the wind
never fading with the sunset
when the dust set in.
Your tracks will always fall here,
among Mars' reddest hills;
your candle's burned out long before
your science ever will.#ThanksOppy. I owe you so much. pic.twitter.com/x0i5WqA9sL