火星への人類着陸、2033年までに実現へ NASA
(CNN) 米航空宇宙局(NASA)が、火星に宇宙飛行士を送り込む計画について、2033年までの実現を目指していることが4日までに分かった。その前段階として、月への有人探査も実施するという。
ジム・ブライデンスタイン長官が2日、下院公聴会で明らかにした。同長官は「月探査を(24年に)前倒しすることで、火星への着陸を繰り上げることが可能になる」と説明。月の有人探査を通じて、火星での居住や作業が技術的に可能であることを証明する考えを示した。
当初、月の有人探査は28年に行う計画だった。NASAが新たに設定した期限を守れるのかどうかは現時点で不透明だ。計画で使用するロケットはボーイングが製造しているが、実用化までのスケジュールにはすでに遅れが発生している。
地球と火星の間の距離は、最短時でも約5460万キロ。ブライデンスタイン長官によると往復には少なくとも2年かかる。これに対し月との距離は約38万キロと、数日での往復が可能だ。
NASAは3週間ほど前に議会への予算要求を行ったが、ブライデンスタイン長官はスケジュールの前倒しを反映した額を今月15日までに改めて要求する考えを示した。