スペースX、ファルコンヘビーの商業打ち上げに初成功
ニューヨーク(CNN Business) 米民間宇宙企業スペースXは11日、大型ロケット「ファルコンヘビー」の商業打ち上げに初めて成功した。全3基のブースターをすべて着陸させることにも初成功している。
打ち上げは米東部時間午後6時すぎ、フロリダ州のケネディ宇宙センターで実施。サウジアラビア企業アラブサットの通信衛星を軌道に投入した。
横付けのブースター2基はフロリダ州の陸上施設に同時着陸し、核となる中央のブースターも海上の遠隔操作プラットホームに着陸した。
ブースターは地球に帰還した後、改修を施して再利用される。スペースXは、これによりコストを大幅に削減できるとしている。
昨年2月に行われたファルコンヘビー初の打ち上げでは、マスク最高経営責任者(CEO)が所有するテスラの電気自動車「ロードスター」を軌道に投入。このときは横付けのブースター2基しか回収できていなかった。
ファルコンヘビーは現在運用中の打ち上げ機としては群を抜く強力さを誇る。値段は9000万ドル(約100億5000万円)で、米ユナイテッド・ローンチ・アライアンスのロケット「デルタ4ヘビー」の約3分の1。
スペースXはファルコンヘビーを導入することで、ロッキード・マーチンとボーイングの合弁事業であるユナイテッド・ローンチ・アライアンスと直接競争することが可能になり、重量貨物打ち上げ機が必要となる政府との契約にこぎ着けた。
ファルコンヘビーは米軍関連の任務を中心に、偵察衛星や大型商業通信衛星の打ち上げにも使用されるとみられている。