犬を飼うと早死にのリスク低減、米医学誌に研究報告2件
(CNN) 犬を飼っている人はそうでない人に比べ、早死にするリスクが低いという研究結果が2件、8日発行の米心臓協会(AHA)の学会誌「サーキュレーション」に掲載された。
カナダ・トロント大学で内分泌学を研究するカロライン・クレイマー助教授らのチームは、米国、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、英国と北欧の計400万人近くを対象とした過去70年ほどの研究を分析した。
その結果、全ての死因を合わせた死亡率は、犬を飼っていたグループが24%低いことが分かった。
特に心臓発作や脳卒中の病歴がある患者では、心血管系の病気で死亡するリスクが31%も低くなっていた。
同じ号に掲載されたもう1件の研究では、スウェーデン・ウプサラ大学の疫学者、トーベ・ファル准教授らがスウェーデン人の男女33万6000人余りについて調べたところ、心臓発作や脳卒中の予後は犬を飼っているグループのほうが良いとの結果が出た。
特に一人暮らしの場合、犬を飼っていると心臓発作を経験した人の死亡率は33%、脳卒中では27%低くなることが分かったという。
孤独や社会からの孤立は、早死にの大きなリスク要因となることが分かっている。犬を飼うことでこのリスクが軽減されるのではないかと、ファル氏は指摘する。
一人暮らしの飼い主にとって、犬の散歩で運動することがリハビリになるとも考えられる。犬との触れ合いでコレステロール値や血圧が下がるといった報告もある。
ただし、どちらの研究も、犬を飼えば寿命が延びると直接証明したわけではない。犬を飼う人と飼わない人の健康面、経済面の違いなども考慮し、臨床試験で因果関係を確かめる必要がある。