青銅器時代の王族の墳墓発掘、黄金の装飾品など出土 ギリシャ
(CNN) ギリシャ南西部のピュロスで、青銅器時代の王族のものとみられる2つの墳墓が発掘され、内部から黄金製の装飾品などの遺物が見つかった。古代ギリシャの人々の生活に新たな光を当てる発見とみられている。
米シンシナティ大学の考古学者らが17日に首都アテネで公表した。1年半にわたる発掘の結果、2頭の牛と穀物の束の図柄を彫った金の指輪や、死者を守るエジプトの女神の姿をあしらった金のペンダントなどの装飾品が見つかったという。
2頭の牛と穀物の束の図柄を彫った金の指輪/UC Classics
シンシナティ大学のジャック・デービス氏は指輪のデザインについて「畜産にまつわる興味深い場面を描いている。家畜と穀物生産を組み合わせたイメージは、農業の基本を示すものだ」「我々の知る限り、クレタ文明もしくはミノア文明の美術品の中で穀物がデザインされているものは他にない」と語った。
青銅器時代の王族のものとみられる2つの墳墓が発掘された/UC Classics
墳墓に葬られた人物の地位や財力は、床で見つかった金箔(きんぱく)からもうかがえる。これらの金箔は元々墳墓の壁を覆っていたものとみられる。
このほか、墳墓では琥珀(こはく)とアメジストも見つかった。それぞれバルト海周辺地域とエジプトからもたらされたもので、発掘を統括したシンシナティ大学のシャロン・ストッカー氏によると、ピュロスが青銅器時代の交易ルートにおける重要な地点だったことを示しているという。