国立感染研究所長の「ファウチ博士ドーナツ」、全米でヒットした理由は
(CNN) 米ニューヨーク州のドーナツ店が、新型コロナウイルス対策で一躍有名になったアンソニー・ファウチ米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)所長の顔写真をあしらったドーナツを売り出したところ、全米から注文が殺到するヒット商品になっている。
ファウチ所長ドーナツを売り出したのは、同州ロチェスターにある「ドーナツ・デライト」。経営者のニック・セメラロ氏はこの思い付きについて「周りの人たちを元気づけたかった」と説明し、「私たちはファウチ博士の存在に気づき、そのメッセージと徹底ぶりを愛した。同氏はこの危機の中で常に情報を与えてくれる。だから感謝の気持ちを伝えたかった」と語る。
ファウチ所長は新型コロナウイルス感染拡大の混乱が続く中で、米国立衛生研究所(NIH)の専門家として事実のみにこだわる冷静な姿勢を貫き、米国民に称賛されるようになった。
ファウチ所長ドーナツは、顔写真を食用紙に印刷し、バタークリームを載せたドーナツの上にあしらった。しかし同店は、全米でこれほど注目されるとは思っていなかったという。
販売は当初数百個程度を見込んでいたが、これまでに数千個が売れ、「こんな大騒ぎになるとは思わなかった」「みんなが私たちと同じように感じているとは知らなかった」とセメラロ氏は言う。
同店には称賛の言葉や「ありがとう」のメッセージが寄せられているという。
「私たちはひと月前までこの人の苗字も名前も知らなかった。彼にとっての政治課題は医療であり、事実。米国民は今、事実を必要としている」とセメラロ氏は分析する。
同店は需要がある限り、ファウチ所長ドーナツの販売を続ける方針。