トイレで手を洗わない男性、今や重大な問題に?
(CNN) 石けんとお湯を使って20秒間手を洗うこと――。新型コロナウイルスの感染を防ぐための対策として、衛生当局などはそう呼びかけている。ところが男性は女性に比べて手を洗わない人が多く、洗う時間も短い傾向にある。いまだにトイレを使った後も手を洗わない人は、男女を問わず、予想以上に多数を占める。
米ミシガン州立大学ホスピタリティ校の研究チームは2013年、キャンパス内外のトイレ4カ所に研究員を派遣して、トイレを使った男女3749人が手を洗ったかどうかを観察した。
その結果、男性の15%、女性の7%はまったく手を洗っていなかった。手を洗ったとしても、石けんを使った男性は50%にとどまり、女性の78%よりはるかに少なかった。
感染の原因となる病原菌などを殺菌できるだけの時間をかけて手を洗った人は、わずか5%だった。
英ユニバーシティー・カレッジ・ロンドンの研究者によれば、トイレにいる人が多いほど手を洗う人も多く、周りに誰もいなければ手を洗わずに済ませてしまう傾向があるという。
数十カ国の実態について調べた2016年の研究報告でも、ウイルスなどの感染を防ぐために手洗いやマスク着用、表面の消毒などの行動を実践している割合は、女性の方が男性に比べて50%多いことが分かった。
専門家は、今こそ男性に照準を絞ったキャンペーンを展開し、石けんで手を洗うよう促す絶好の機会かもしれないと指摘している。