米国の「社会的距離」戦略、再来年まで続く可能性も 米研究
(CNN) 新型コロナウイルス感染拡大を抑えるため、米国民が対人接触を極力避けるよう求められている「ソーシャル・ディスタンシング」(社会的距離の確保)の対策は、再来年まで続ける必要があるかもしれないとの研究結果が発表された。
米ハーバード公衆衛生大学院のチームが新型ウイルスを含むコロナウイルス全般の知識を基に複数のシナリオを想定し、14日に米科学誌サイエンス上で発表した。
それによると、救命救急施設の収容人数が大幅に増えたり、治療薬やワクチンの供給が早期に始まったりしない限り、社会的距離の確保は再来年に入るまで断続的に必要となる可能性がある。
いったん終息したように見えても、再流行の懸念は2024年ごろまで残るため、監視を続けるべきだという。チームによると、行動制限が解除されれば感染は再び一気に拡大することが予想される。
新型コロナウイルスに一度感染した人は免疫ができるのかどうかという疑問にも、今のところはっきりした答えが出ていない。抗体の有無を確実に調べる検査方法や実施体制の確立、感染で得られる免疫の強さや持続期間の研究も課題となっている。
同チームは、社会的距離の確保をたとえ断続的でも長期間続けることによる経済、社会、教育上の影響は重大との認識を示し、研究結果が今後の対策を考える助けになることを望むと述べている。