古代エジプトの動物ミイラ、デジタル技術で「開封」 猫やヘビなど

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古代エジプトの動物のミイラを高精度スキャンで「開封」/Swansea University

古代エジプトの動物のミイラを高精度スキャンで「開封」/Swansea University

ロンドン(CNN) 英スウォンジー大学の研究チームは20日、古代エジプトで作られた3体の動物ミイラについて、高精度な3次元スキャンを駆使して「デジタル的に開封」することに成功したと発表した。

同大学の声明によると、研究チームはミイラの分析を通じ、2000年以上前にさかのぼるこれらの動物の生活や死亡時の様子を知ることにも成功したという。

ミイラの中身がヘビや鳥、猫であることは以前から分かっていたものの、今回の研究では、医療用CTスキャンの100倍の高精度画像が得られる「X線マイクロCTスキャン」を使用。動物の歯に至るまで詳細に調べることが可能になった。

この結果、猫は生後5カ月に満たないことが判明。脊椎(せきつい)が分離していることから、首を絞められ死んだとみられている。鳥の種類については、骨の測定によりチョウゲンボウと特定された。

鳥のミイラはチョウゲンボウのものと特定/Swansea University
鳥のミイラはチョウゲンボウのものと特定/Swansea University

ヘビはエジプトコブラの幼体だった。調査で腎臓に損傷が見つかっており、おそらく水を入手できずに痛風の一種を起こしていたとみられる。

研究チームはこのコブラについて、ムチをたたき付けるようにして殺されたと説明。ミイラ製作の過程で「口開けの儀式」を受けていた可能性があるとも指摘した。

とぐろを巻いたコブラのミイラ/Swansea University
とぐろを巻いたコブラのミイラ/Swansea University

この儀式は必ずしも物理的に口を開けるわけではなく、人間のミイラや神の像のほか、動物に対しても行われた証拠が残っている。スウォンジー大学の研究者は「口開けの儀式を行うことで、対象を神聖化するという発想だった」と解説する。

古代エジプトでは猫やヘビ、ワニ、犬などの動物がミイラにされるのは普通のことで、飼い主と一緒に埋葬されたり、死後の世界での食べ物として供されたりするケースもあった。

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