恐竜を餌にした「恐怖のクロコダイル」、路線バスに近い大きさか 研究

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デイノスクスのあごなどの標本。バナナほどの大きさの歯を持つとされる/Adam P. Cossette & Christopher A. Brochu

デイノスクスのあごなどの標本。バナナほどの大きさの歯を持つとされる/Adam P. Cossette & Christopher A. Brochu

(CNN) かつて地球上を徘徊(はいかい)し、恐竜を餌にしていた「恐怖のクロコダイル」について、成長後の体長は約10メートルと路線バスに近い巨大さだったと指摘する研究論文が発表された。

この研究は2018年に行われ、今週、古脊椎(せきつい)動物学の学術誌に論文が発表された。巨大生物の学名は「デイノスクス」で、後期白亜紀の北米に生息していたとされる。

論文の共著者は声明で、巨大なデイノスクスは「飲み水を求めて水辺にやって来た恐竜を怖がらせていたはずだ」と説明。これまで全身の様子は未解明だったが、新たな標本を調査した結果、「バナナほどの大きさの歯」を持つ異形の怪物だったことが判明したと述べた。

デイノスクスの学名は「恐怖のクロコダイル」の意味だが、研究チームによると、実際はむしろアリゲーターに近い。ただ、長く太い口吻(こうふん)の先端に謎の穴が2つ空いている点で、アリゲーターともクロコダイルとも異なる。

デイノスクスには少なくとも3つの種が存在し、米西部モンタナ州からメキシコ北部にかけての地域、およびニュージャージー州からミシシッピ州にかけての大西洋岸に広がる平地に生息していたという。

デイノスクスは生態系内で最大の捕食者であった可能性が高く、その体重は同時代で最大級の恐竜をもしのいでいたとみられる。恐竜の骨からカメの甲羅に至るまで、あらゆる物にかみ跡が残る様子が研究者によって発見されている。

幸いなことに、「恐怖のクロコダイル」が生息していたのは8200万~7500万年前の時期だ。

その後のデイノスクスに何が起きたのか、どのような経緯で絶滅したのかは不明。研究チームよると、恐竜時代末期の大量絶滅期には既に姿を消していたという。

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