第2次大戦で沈没のドイツ軍艦、80年ぶりに発見 ノルウェー沖
(CNN) 第2次世界大戦中、魚雷攻撃を受けて撃沈したドイツの軍艦が、ノルウェー沖の海底でこのほど見つかった。沈没から80年以上たってからの発見だった。
送電網システムを運営するノルウェーの国営企業が思いがけず発見したのは、ドイツの巡洋艦「カールスルーエ」。水面からおよそ488メートルの海底に沈んでいた。
全長約174メートルの船体には、ナチスドイツのかぎ十字の紋章が確認できる。当時、カールスルーエはノルウェー南部の都市、クリスティアンサンへの強襲作戦を主導していた。1940年4月、ドイツ軍によるノルウェー侵攻の一環だった。
前出の企業の声明によると、作戦中、同艦はノルウェー軍の砲火にさらされ、英国軍の潜水艦が発射した魚雷も命中。乗組員らが自沈処分を行った。
第2次世界大戦が勃発した1939年9月、ノルウェーは中立を宣言したが、ドイツのヒトラーは翌年の4月9日、ノルウェーへの侵攻を命じた。ドイツ軍が短期間のうちに首都オスロをはじめとする複数の都市を占領する中、ノルウェーも同盟軍の支援を受けて抗戦を試みる。しかし結局ノルウェーは同年6月にナチスの支配下に入り、45年の4月まで解放されることはなかった。
ノルウェー海洋博物館の考古学者によると、カールスルーエの沈没は歴史的に知られているものの、沈んだ正確な場所は分かっていなかった。ノルウェーを攻撃したドイツの大型艦の中で、沈没場所が不明だった唯一の艦船だったという。
ドイツ軍艦を音波探知機(ソナー)でみた画像/Statnett
カールスルーエの存在を示す兆候は3年前、ソナーによる海底ケーブルの検査中に確認されていた。今夏、エンジニアらが作業船で更なる調査を行い、沈没位置を検証。80年ぶりの発見が実現した。