中国に「報道の自由」あれば新型コロナの拡散回避も 国境なき記者団が最新番付
ロンドン(CNN Business) 国際NGO「国境なき記者団(RSF)」は21日までに、世界各国の「報道の自由度」を比較した毎年恒例のランキングを発表した。新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な大流行)は、中国に報道の自由があれば回避できた可能性もあるとしている。
ランキングは世界180カ国・地域のうち、ノルウェーが4年連続トップ。2位がフィンランド、3位デンマーク、4位スウェーデンと北欧諸国が上位を独占している。
米国は順位をわずかに上げたものの台湾に続く45位にとどまった。英国は昨年4月に北アイルランドで女性記者が射殺された事件などを受け、33位から35位に下がった。
中国は177位。RSFのレベッカ・ビンセント英国支部長はCNN Businessとのインタビューで、中国で新型ウイルスの危険性に関する情報が自由に報道されていれば、世界はもっと早く、深刻に受け止めていたはずだと指摘。情報統制が現実の死を招いたと主張した。
RSFはまた、米国のトランプ大統領とブラジルのボルソナーロ大統領がメディアを侮辱し、ジャーナリストへの敵意をあおっていると批判している。
さらに、ハンガリーのオルバン首相が新型ウイルス対策を機に強大な権力を掌握し、政府がジャーナリストの報道内容を不正確とみなした場合に処罰することも可能になったとして懸念を示した。