外出禁止への抗議デモ、ICU看護師らが対抗 米ペンシルベニア州
(CNN) 米ペンシルベニア州の州都ハリスバーグで20日、新型コロナウイルス感染拡大対策の外出禁止措置に抗議するデモ隊に看護師らのグループが対抗し、「家に帰って」と呼び掛けた。
同州のウルフ知事は外出禁止の措置を来月8日まで延長する方針を示している。
ハリスバーグのデモには数千人が参加し、州当局の対策に抗議した。州議会議事堂の前を通り過ぎるトラクターには「イエス様が私のワクチン」と書かれていた。
これに対し、地元病院の集中治療室(ICU)で働く看護師らが、デモ隊から交差点ひとつ分ほど離れた場所に立ってプラカードを掲げた。
参加した看護師のカトリーナ・レクテンウォルドさんは、プラカードで「私のICUにあなたが入ってほしくない。家にいて」と呼び掛けた。
“Jesus is my vaccine” is one of the more colorful messages here. pic.twitter.com/vw5qolIlHC
— Miguel Marquez (@miguelmarquez) April 20, 2020
またCNN系列局とのインタビューで、感染者が急増した場合、州内の病院へ殺到する患者全員に対応できる設備はないと強調した。
もうひとりの看護師、イェッタ・ティモシーさんも「信じられない」と嘆き、デモに打ちのめされたと悲痛な思いを語った。
外出禁止などの措置に抗議するデモは、全米各地で党派を問わず広がっている。トランプ米大統領は先週末、デモの参加者らを「立派な人々」と呼んで「国を愛し、仕事に戻りたがっているのだ」と理解を示した。
ウルフ氏は言論の自由を認めたうえで、デモ参加者らに「私たちは皆さんの無事を願っている。住民の安全を守るために全力を尽くしたい。皆さんもその住民の一員です」と呼び掛けた。