カンガルーも人に助けを求める、餌を前に「熱い視線」 研究で実証
(CNN) カンガルーもペットや家畜と同じように、困った時は人に助けを求めることがある――。オーストラリアと英国の研究チームがそんな研究結果を16日の学術誌に発表した。これまで「意図的に」人とそうしたコミュニケーションを取る動物は、犬や馬、ヤギなど家畜化された動物に限られると思われていた。
英ローハンプトン大学とオーストラリアのシドニー大学の研究チームは、プラスチック容器に入れた餌をカンガルーの前に置き、反応を観察した。
容器を開けようとしてうまくいかなかったカンガルーは、近くにいた人間をじっと見つめるそぶりを見せた。人間をつついたり引っかいたりして助けを求めることもあった。
「かなり強い視線だった」と研究チームは解説する。「それまで我々は、問題に対して助けを求めるのは家畜化された動物だけだと思っていたが、カンガルーもそうすることが分かった。容器を開けられなかったカンガルーは、人間を見つめて容器に視線を戻した。鼻先で人間をつついたり、人間に近づき助けを求めて引っかき始めたものもいた」
カンガルーも犬やヤギと同じように、行動を順応させて人間と交流できるのかもしれないと研究チームは推定。「この研究を通じ、動物とのコミュニケーションは学習可能で、餌を得るために人間を見つめる行動は家畜化とは無関係だということが分かった」としている。
実験ではカンガルー11頭のうち10頭が、プラスチック容器入りの餌を置いた人間を「積極的に」見つめていた。9頭は、容器と目の前の人間を交互に見つめる「高度な形態のコミュニケーション」を行った。
実験はオーストラリア国内の動物園で実施。カンガルーたちは人間になれていたものの、家畜化された動物とはみなされていない。