「沼地の王」の化石発見、先史時代の巨大ワニ オーストラリア
(CNN) オーストラリア南東部のクイーンズランド州で、先史時代に生息していた巨大ワニの新種の化石が見つかり、「スワンプキング(『沼地の王』の意味)」と研究者から呼ばれている。
クイーンズランド大学の21日の発表によると、「パルディレックス・ビンセンティ」と命名された新種のワニは、体長が5メートル以上あり、現在のクイーンズランド州南東部の水路に生息していた。
人間と比較したパルディレックス・ビンセンティ/Jorgo Ristevski
研究者によると、生息していたのは533万年~258万年前と推定される。化石は1980年代に同州チンチラという町の近くで発掘されていた。
「パルディレックス」の名称はラテン語で「スワンプキング」の意味。「ビンセンティ」は化石を発見したジェフ・ビンセント氏の名にちなむ。
化石は頭蓋骨(ずがいこつ)の頭囲が65センチあったことから、体長5メートル以上と推定された。
現在生息するワニの中では最大のイリエワニの成体も同じくらいの大きさだが、「パルディレックスの方が幅広くがっしりした頭蓋骨をもっていて、筋肉を増強したイリエワニのような姿をしていた」と研究者は解説する。
頭蓋骨の化石の欠片を使用して新種と特定された/Jorgo Ristevski
当時のオーストラリアでは最強級の肉食動物で、巨大な有袋類を餌にしていたと思われる。
オーストラリアには現在、2種類のワニが生息しているが、パルディレックス・ビンセンティが絶滅した理由は分かっていない。
研究チームは、イリエワニのような種と争って絶滅した可能性や、気候が乾燥して生息地の水系が後退し絶滅に至った可能性について調べている。