体長約2.5センチ、新種のカメレオン発見 世界最小の爬虫類か
(CNN) アフリカ東部沖のマダガスカル島で、体長2.5センチに満たない小型のカメレオンが発見された。ドイツの研究チームがこのほど科学誌「サイエンティフック・リポーツ」に発表した。
「ナナ・ヒメカメレオン(ナノ・カメレオン)」と命名された新種のカメレオンは、世界最小級の爬虫(はちゅう)類。2012年までは存在さえ知られていなかった。ほかの脊椎(せきつい)動物や他の種類のカメレオンと違って色が変わることはなく、樹上よりも主に地上に生息する。
ドイツの爬虫両生類学者チームは2012年、新種の爬虫類や両生類を探す目的でマダガスカルの熱帯雨林を調査していた。
爬虫類はオスの方がメスより大きい種がほとんどだが、ナノ・カメレオンは別だった。オスの体長が約2センチだったのに対し、メスは2.89センチ。メスの方が大きいのは、卵を抱くためと思われる。
オスは約2センチの大きさ/Courtesy Frank Glaw
ほとんどの脊椎動物は成長するに従って体が大きくなる。ナノ・カメレオンが大きくならない理由は不明だが、オスがメスと交尾する際に露出する半陰茎(ヘビやトカゲの生殖器)は、体の大きさと比較すると、他のカメレオンよりも大きかった。「オスは交尾のために特別大きな半陰茎を必要とするらしい」(研究者チーム)。
生息地のマダガスカル島ソラタ地区では大規模な森林伐採が行われており、ナノ・カメレオンは深刻な絶滅の危機に瀕していると思われる。
メスの大きさは約2.89センチとオスよりも大きかった/Courtesy Frank Glaw
マダガスカル島にはほかに少なくとも13種のヒメカメレオンが生息している。ナノ・カメレオンの発見後、マダガスカル当局は野生生物の生息地を守るため、ソラタ地区に保護区を設置した。
熱帯雨林は生物多様性の宝庫とされ、研究チームによれば、マダガスカル島にはまだ未発見の種が多数存在している可能性が大きい。