感染力強い変異ウイルス、重症化にはつながらず 2つの研究で示唆
その結果、特定地域や時間の経過に伴うB.1.1.7の蔓延状況と、同アプリに報告された新型コロナウイルス感染症の症状の変化や持続期間との間に関係はないことが分かった。
「B.1.1.7の感染が拡大しても、無症状のユーザーの割合が著しく増えることはなかった。この結果は同じ主題の他の研究とも一致している」「病院への入院にも変化はないことが分かった。だが、別の研究ではB.1.1.7変異株が病院への入院率を増加させるという報告もある」と研究チームは指摘している。
この研究では再感染の確率も低いことが分かった。検査で陽性と判定された同アプリのユーザーのうち、90日後に再び陽性反応が出たのは0.7%のみ。B.1.1.7に関連して再感染率が高くなる形跡は認められなかった。
B.1.1.7の感染力の強さについて、今回の研究にかかわっていない英インペリアル・カレッジ・ロンドンのブリッタ・ジュウェル氏は、「B.1.1.7が感染の可能性を増大させることが、この研究で裏付けられた。これが主な原因となって、この研究期間中およびそれ以降に英国で症例数が急増し、欧州各国では第3波が続いてB.1.1.7の負担を増大させている」と解説している。