偽ニュース見抜く能力、大半が過信 能力低い人ほど拡散させる傾向 米調査
(CNN) 米国人の4人中3人は偽ニュースを見分ける自分の能力を過信していて、その能力が低い人ほど偽ニュースを共有しがちな傾向がある――。そんな調査結果が5月31日の米科学アカデミー紀要に発表された。
この調査はユタ大学の研究チームが8200人を対象に実施。共和党員の方が、民主党員よりも偽ニュースにだまされやすいことも分かった。
研究チームはフェイスブックに掲載されたニュース記事の体裁の見出しをボランティアに見せ、記事の内容が本当かどうかを見分ける能力についても自己評価してもらった。
その結果、自分を過信している人ほど信頼できないウェブサイトを閲覧しがちで、時事問題に関する真偽を見分けることができず、SNS上で偽ニュースに「いいね」したり共有したりする傾向が強いことが分かった。特に自分の政治信条に合う内容だった場合、その傾向が顕著だった。
「この結果からは憂慮すべき図式がうかがえる。偽ニュースコンテンツを見分ける能力が最も低い人は、自分の限界を最も認識していない人でもあり、従ってそれを信じてさらに拡散させてしまいやすい」。研究チームはそう指摘する。
調査対象者の約90%は、自分が偽ニュースを見分ける能力は平均以上だと回答していた。
「自分は偽ニュースを見抜く能力が高いという誤った認識を持っていれば、特にそれが自分の世界観に合う場合、無意識のうちにそれを受け入れ、信じて共有してしまう可能性が大きい」と研究者は警鐘を鳴らしている。