空港ピアニストに660万円超のチップ、通りすがりの旅行者の動画に共鳴
しかし2008年、クルーズ船のピアニストとして働いていた時に腎臓病と診断され、人生が暗転する。それまではバンド演奏やクルーズ船で活動していたが、今は透析治療のために夜は空けておかなければならない。
カーターさんは「人生はちょっと不便になって、昔のようにはいかなくなった」「それでも私は生きている。幸せを感じる。腎臓は機能していなくても、毎日起き上がって仕事に行ける」「私はやっぱり一番幸せな人間だ」と語る。
アトランタの空港では13年前からピアノを演奏するようになった。「みじめな1日だった人も、私の横を通り過ぎると少し明るい気持ちになる。足を踏み鳴らしたりテーブルで手をたたいたりして『大丈夫』と思ってくれる」とカーターさんは言う。
集まったチップの使い道については、ウィテカーさんが自分を助けてくれたように、自分も人を助けたいと語った。「あの6万ドルは私のものではない。あれは別の人のところへ行くお金だ」「私にはただありがとうとしか言えない。この恩を未来へつなぎたい」